化学物質の暴露が関与する、倦怠感、疲労感、頭痛、不眠、皮膚炎などの症状の総称。ただし、中毒、アレルギーなど病因や病態が医学的に解明されている症状を除くのが一般的である。
化学物質過敏症が発症するメカニズムは解明されていないが、過去に化学物質に曝されたことがある場合に、非常に微量の化学物質に接触したときにも発症する。また、原因物質の除去により症状が改善または治癒すること、関連性のない多種類の化学物質に対して反応が生じることなどが判明している。
化学物質過敏症は、シックハウス症候群と違って、建物内環境に起因するとは限らない。また、客観的な診断方法や治療法は確立しておらず、体系的な対応策も定まっていない。しかし、一定数の患者が存在していることは確かで、医療の対象となっている。