複数の用途に供する建築物。例えば、一つの建物に住宅と店舗が併存する場合は複合用途の建築物である。
建築物の用途に応じて基準等を適用する場合には、複合用途の建築物については、原則として、建物全体に対して、各用途に応じた基準等が重複して適用される。例えば、建物の一部の用途が用途地域に適合しないときには、その建物は建築できないし、建物の一部が建築基準法の定期報告が必要な用途であるときには、その建物の全部について報告しなければならない。
なお、複合用途の建築物が特殊建築物用途を含む場合には、特殊建築物用途とその他の用途などを、床や壁、遮煙性能を有する特定防火設備等で有効に区画しなればならない。また、消防法では、複数の用途に供する建築物は「複合用途防火対象物」とされ、主たる用途に従属する用途についてはその用途に対する規定の適用がないなどの定めがある。