古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(1966(昭和41)年制定)により、古都の歴史的風土を保存するために指定される区域を「歴史的風土保存区域」という。
歴史的風土保存区域中の重要な地域は「都市計画」によって「歴史的風土特別保存地区」とすることができる(同法第6条)。
「都市計画」によって「歴史的風土特別保存地区」が決定されたときは、その旨を表示する標識が設置又はその他の適切な方法により特別保存地区である旨が明示されることとなっている(同法第6条第2項)。
「歴史的風土特別保存地区」において、建築物の建築、工作物の建築、 宅地造成、土地開墾、土地の形質変更、土石採取、木竹の伐採を行なうには、知事または指定都市の市長による「許可」が必要とされている(同法第8条)。
また「歴史的風土特別保存地区」においては、屋外広告物の表示・掲出、建築物・工作物の色彩変更についても知事または指定都市の市長の許可が必要とされており、景観や伝統建築物が厳しく保護されていることに特徴がある(同法第8条)。
なお、上記の許可を得ることができないために、損失を受けた者がある場合には、府県は通常生ずるべき損失を補償する必要がある。ただし、他の法律(建築基準法など)でも不許可処分であるときや、社会通念上都市計画の趣旨に著しく反するときは、損失補償を受けることができない(同法第9条)。
また、上記の許可を得ることができないため、土地の利用に著しい支障をきたす場合に、買い入れの申し出があったときは、府県は、当該土地を時価で買い入れる必要がある(同法第11条)。