フランスにおける高齢者の所有不動産に関する特殊な売買契約のこと。
高齢者が住宅を買主に売却し、その対価として、買主から高齢者に対して高齢者が生存する期間に限り毎月一定額の金銭が支払われ、しかも高齢者はその住宅に終生住み続けることができるという契約である。
高齢者から見れば、長生きをするほど買主からの受取金額が増えていき、しかも家賃を支払うことなく住み続けることができるので、長生きが有利である。しかし買主から見れば、高齢者が長生きをするほど不利となる。このように、ビアジェは買主にとって危険性の高い契約であるが、その反面、住宅を通常よりも低額で取得できる可能性があるというメリットがある。
フランスではすでにローマ時代からこのビアジェという売買契約が行なわれていたという。
このように、ビアジェがフランスで普及している理由としては、
1.フランス民法典にビアジェが明文化されていること、2.フランスの法制度では、不動産売買契約が官吏である公証人によって必ず確定・認証されるため、複雑な不動産売買契約が法律上安全に締結できること
などが考えられる。