米国の住宅都市開発省(HUD)が1989年に開発したリバースモーゲージ商品のこと。住宅資産転換融資と訳される。また頭文字を取ってHECMと略称される。
HECMでは、融資主体は各民間金融機関であり、連邦政府は高齢者の返済を保証するなどの形で融資契約に関与している。
民間金融機関にとっては、リバースモーゲージを高齢者に対して行なう際には、一括返済の最終的な期限が高齢者の死亡時とされるので、高齢者が長生きをすれば、その長い年月において担保不動産の価格が下落し、一部返済不能に陥る危険性が高くなる。
HECMでは、このような民間金融機関の抱える不動産値下がりによる損失の可能性をなくすために、国が高齢者に代わって返済不能部分の返済を肩代わりするという保険の仕組みが設けられている。この保険は、FHA(連邦住宅庁)保険と呼ばれている。
このFHA保険などによってHECMは最も安全なリバースモーゲージ商品となり、米国のリバースモーゲージの利用者全体の約3分の2がこのHECMの利用者となっている。